ポンポン山に咲く花 ’19.11.16 曇

 穏やかな秋日和です。次第に冷え込みが進んできたようです。低山にも紅葉の彩りが楽しめることだろうと、日ごろの散歩道を徘徊してきました。すると、早くもヒイラギが咲いて待ってくれていました。この木は雌雄別株ですから、雄株では実はつけてくれません。

 株の見分け方は花冠を覗き込み、2個の雄しべの間の雌しべの長短を確認します。雌しべが小さいのが雄株で、雌しべが長くて突き出ているのが雌株です。今回の個体の花が両性花といい、これが結実して実をつけることになります。花は直径4mmほどと小さく白い花を11~12月に咲かせますが、その果実は1.5cmほどの長方形です。これは同科のネズミモチの実に似たような紫黒色で翌年6~7月に熟します。
 ところが、この木は落葉小高木で高さ4~8mになるようですが、雄株の成木は見ますが、大きな雌株はなかなか目にすることは少なく、よく見る幼木では花や実はつかないようですから、果実を目にすることはほとんどまれなようです。今回の個体を今後も忘れないように注視したいと思います。

 
 ヒイラギ(モクセイ科モクセイ属) この個体は雌株のよう

 冷え込みがやってきたとはいえ、西山も鮮やかさはまだまだこれからのようですが、いろいろな樹々の彩りがハイカーの身には嬉しさこの上ない感じです。歩きなれた散歩道のためにほとんど名も知り合いです。笑い 残念なのは紅葉の王様でもあるカエデの仲間がウリカエデとウリハダカエデ以外にはほとんど出合えないことです。

         
カマツカとネジキ    ネジキとタカノツメ     リョウブ

 それでも、近年この西山にも林道が縦横無尽に造られるなど、これまで歩いていないために、山肌の日差しがよくなってでしょうか、覚えのない樹木観察が楽しい道となってくれます。今回も立派なアカシデの大木が綺麗に紅葉を初めていました。さらに大木のヤマザクラなども美しくなることでしょう。

         
 葉は仲間では小さく、先が尖り気味   アカシデ(カバノキ科クマシデ属)    果実は独特な姿でぶら下がり~ 

 もちろん、樹木の果実たちが彩り鮮やかな状態となっています。何度でもこれらの果実たちを見ながら、この木の花の咲くころや、花の色あいなどを思い描きながらの果実観察は実に楽しいばかりです。

         
 サカキ直径7~8mm球形に花柱が残る   クロソヨゴ *1   ソヨゴ 葉の縁に鋸歯はない
         
ヤブコウジ 新年に十両と縁起物なり    クロバイ 年明けの冬に紫黒色に熟す   ウメモドキ 庭木は花時より実時が喜び 
         
ナナカマド 赤く熟し長く目立つ   ムラサキシキブ 毛がほとんど少ない    ヤブムラサキ 当方は毛むじゃらが特徴
         
 サネカズラ 実姿は異様で花は目立たず   ヒノキバヤドリギ 希少な絶滅危惧種     ポンポン山山頂のカマツカ*2

*1 クロソヨゴは常緑のモチノキ科モチノキ属ですが、同じ仲間のソヨゴの幹の色を比べるとクロソヨゴの方が黒っぽいことからの謂れです。しかし、フィールドでは幹の比較より、葉の縁に鋸歯があるかないかの区別の方が容易ではないでしょうか。なお、核果の果実は双方とも赤色に完熟となります。

*2 ポンポン山山頂のカマツカは昨年の21号台風被害で幹が裂ける等、大変な傷を生じたために、すっかり元気がなくなってしまいました。過去にはこちらのように晩秋の真っ赤な数珠なりの果実がびっしりとつき、それは見事な光景で植物好きのハイカーを魅了していたのですが、今年より花は数えるほどしか咲かなくなってしまい、とりわけ秋の果実時は寂しい限りの有り様には誠に残念です。しかし、カマツカが命ある限りは応援していきたいと思います。

 

 さて、最後になりましたが、草本類はすっかり寒さとともに見られるのが寂しくなってしまう頃となりました。でも、キチジョウソウの花は10月末あたりからまだ長持ちして咲き続けてくれまして、いつまでも目にすることができ誠に有難いことです。
 この花に出会えればその身に何か良いことが生じるとの伝説の名の謂れある花なのです。わたしも期待していましたが、先日には超希少種である『オグルマ』に出会えました。もっとも、我が西山でも咲くことにはなっているオグルマですが、最近は農家の方による草刈り時期が原因で、しばらく西山での開花のオグルマに出会えていません。
 さぁ、オグルマの花を見る同行の方達へ勧めるばかりでなく、何はさておいても、わたしは年末ジャンボ宝くじを買うことに心決めました・・・。爆笑

     
キチジョウソウ(キジカクシ科キチジョウソウ属)    目にすること少ないカエデドコロも草紅葉始まり 

11/9 タンキリマメ ホームヘ 11/20.シマカンギク






inserted by FC2 system