東山の果実たち ’19.12.6 曇

 しばらく、日本中は、女子プロゴルフの『しぶこ』の大ブームとなったために、山歩きよりゴルフ観戦へ気持ちが移ってしまっていました。それにしても『しぶこ』はすごい選手です。来年も活躍が多いに期待されますネ。頑張れ、しぶこ~!!、拍手・パチパチ


 さてさて、久々に植物観察を楽しみました。

 つる性で、常緑小低木のフユイチゴは今が赤い実の最盛期です。それにミヤマフユイチゴは山地の林下などに生え葉先が尖りますが、茎や枝に短い軟毛と下向きの棘があり、はたまた、無毛の茎もあります。冬枯れの山中では緑の葉と赤い実のフユイチゴ類はとてもきれいで心和みます。
 この種には葉先がほとんど尖らないというより、丸っぽいフユイチゴもあり、ミヤマフユイチゴとともに混生する場合があります。今回も「や~、これはフユイチゴかな、それともミヤマフユイチゴかな・・?」とも思ったりしました。それに帰宅後知ったのですが、この二種以外に二種の雑種であるアイノコフユイチゴもあるとのことで、なかなか同定は容易ではなさそうです。

 では本日の見られた画像のフユイチゴの名前は三種のうちのどれなんでしょうか。といろいろ悩みはつきません。とりあえず、以前から覚えていた葉先が尖り気味なことから、ミヤマフユイチゴとしておきましょう・・?。それにしてもあまりに大雑把ではないでしょうか・・。棘の有無、毛の状態や萼や茎の部分での有毛か無毛か等を調べに再訪が必要でしょう。としておきます。笑い

 12/11に再訪してきました。やはりミヤマフユイチゴではなく、どうやらアイノコフユイチゴのようでした。訂正させていただきます。

 
アイノコユイチゴ(バラ科キイチゴ属)

 
 サネカズラの果実が美しくなりました。花は9月初めに咲いていましたがこちらからご覧ください。東山では雑木の樹林帯の中でしたから日当たりはそんなによくなく、果実の色づきが遅めのようでした。花は葉影に15mmくらいと小さめで目立ちませんが、果実になるとその柄は4~5㎝以上にも長くなり、よく目につくようになってきます。実は集合果で直径2〜4cmの球形で、真っ赤で艶もあってなかなか見ごたえ充分です。別名の「ビナンカズラ」の謂れは、昔つるから粘液をとって整髪料に使わていたことに由来する名のようです。

 
サネカズラ(マツブサ科サネカズラ属) 別名 ビナンカズラ  


 本州では太平洋側に自生が多いトベラですが、庭木や公園樹としても知られています。枝や葉の臭気が鬼除けに効果があることから、節分にはトベラの枝を戸口にさして疫鬼を追い払った風習から、扉の木と呼ばれるようになったとの謂れです。

 花は4~6月ころに咲き雌雄別株です。果実は11~12月に直径1~1.5cmくらいの球形の実が灰褐色に熟すと3裂して、粘った赤い種子を多数見せます。↓

 
トベラ(トベラ科トベラ属) 

 「西日本に自生するが、個体数は決して多くない」と手持ち図鑑にありますが、わたしのテリトリーではどちらの里山にでもふつうに目につく樹種ですから、いつもであれば珍しくも無く足も止まりません。しかし、今回の個体には赤い直径5mmほどの果実が数珠つなぎのように超密生していました。この赤い実の頭には萼片が残っています。その部分もUpで撮るべきでした。泣

 
カナメモチ(バラ科カナメモチ属) 

 クロバイの果実は完熟すれば紫黒色となるとのことで、そろそろかなと出かけてみたのですが、やっぱりまだまだ緑色のままの様子でした。やはり正月明けを待たないと紫黒色にはならないのでしょうか・・。もっともこの個体は樹高が5~6mあって、それにバックが今にも泣きそうな曇り空のために、ハッキリとは撮れなかったのが残念でした。やはり青空の明るい日を狙うべきかなと反省でした。

 それに同属のシロバイは高木の常緑樹帯の中の一員のために、13時頃という時間なのにすっかり薄暗くなってしまったために、シロバイの昨年開花分の果実も撮れませんでした。「この両者もカメラ泣かせの御仁だな・・」と泣きながら家路につきました。シクシク

 
クロバイ(ハイノキ科ハイノキ属) 

 ヒヨドリジョウゴは山野に生えるややつる性の多年草ですが、この種はあちこちで目にしています。しかし、こちらでは初めての場所で、有難いことには、あまり湿り気もなく、ヤマビルなど心配はなさそうです。しかし、すごい数の果実の様子から、これなら初秋の開花時は見事だろう・・と、来秋の花の観察地にはほどよい地であろうと期待するほどで、ラッキーでした。

     
ヒヨドリジョウゴ(ナス科ナス属)    ヒヨドリジョウゴの葉や茎にも毛が多い 

 キカラスウリにも令和元年の今年終盤に出会えました。藪っぽい場所に生えるつる性の多年草です。特にカラスウリとの二種の開花時は夜間だということが珍しい点でもあります。また、単にカラスウリは方々で見られますが、キカラスウリは比較的そう多くは見られないようです。そして、この二種は雌雄異株です。特に、こちらのキカラスウリは個体数が極端に少ないのか、普段からの出会いはそう多くはなさそうで、わたしは何年ぶりのキカラスウリとの再会でした。ニコニコ

 なお、昨今ではあまり耳にしなくなりましたが、赤ちゃんの「あせも」には「天花粉」がよく用いられましたが、それはこちらのキカラスウリの根の澱粉から作られていたようです。さらにカラスウリの種子には縦に隆起した帯があるのが特徴のようですが、キカラスウリの種子には帯はないのが決定的な違いのようです。この点は再訪して確認したいものです。

 以上キカラスウリの文章は次のとうりカラスウリに訂正させていただきます。謹んでお詫び申し上げます。

 12/11に再訪してきました。やはりキカラスウリではなく、年末くらいの寒い時期の山歩きの中で普通に目にするカラスウリでした。確たる同定ポイントによっての訂正ですが、詳しくはこちらからご覧願います。

     
カラスウリ(ウリ科カラスウリ属)     カラスウリの葉の様子

 ヤブランの種子は直径6~7mmですが、ようやく黒く光沢となりました。まるで果実のように見えます。でも、ヤブラン属の果実は蒴果ですが、果皮が薄くて脱落し易く、種子がむき出しになって成熟するそうです。このように種子が果実のように見えるのは旧ユリ科の中でヤブラン属とジャノヒゲ属だけに見られる特徴のようです。

 
 ヤブラン(キジカクシ科ヤブラン属)

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