ポンポン山の果実たち ’19.12.9 晴

 青空に釣られてポンポン山です。今回はマメガキの実が、この山塊では初めて目に飛び込んできました。イエ、自然種のカキノキ類の花も実もこの山塊では見験なのです。図鑑によれば、落葉高木のマメガキは10~12mの高さとなるようです。時には大きいものは30mにもなるものがあるようです。こちらのものは10mはないようでしたが、見上げていると青空をバックに「アッ、オオウラジロノキの実かな・・」と思ったのですが、「果実の姿がどうも違いそうだな・・」と枝から幹へ目で追えば、下のほうの木肌でカキノキの仲間だ、とすぐに分かりました。
 西山ではマメガキ、リュウキュウマメガキの二種が分布しているようです。このマメガキの果実の大きさは直径1~2cmで球形のようです。また、リュウキュウマメガキの方は1.5~2.5cmで、扁球形のようですから今回の果実はマメガキと同定しました。もちろん、葉での違いもありますが、今は丸坊主でしたからその点では残念でした。リュウキュウマメガキの存在地も、以前に花期の6月ころに足元に落下していたその葉を見つけて、リュウキュウマメガキだと分かったのですが、いつかその果実の様子を観察したいものであります。

 
マメガキ(カキノキ科カキノキ属) 

 次はナナカマドの実です。高さ6~10mになる落葉高木ですが、この個体は5mくらいでしょうか。青空をバックに赤い5~6mmのびっしりとまとまってついた実と紅葉が残って見事に美しいかぎりです。今年はナナカマドの果実を十二分に見せてもらいましたから、来年は5~7月に葉や花の開花をつぶさに観察してみたいものであります。

 
 ナナカマド(バラ科ナナカマド属)

 常緑つる性で、古いつるはマツブサと一緒でコルク層が発達して太くなります。サネカズラの果実もいよいよ真っ赤になって完熟でしょうか。熟した集合果の実は2~3cmでしょうか。樹皮からとった粘液を整髪に使ったので、美男蔓の別名があります。こちらの花は1.5cmくらいと小さく、目だたないためにあまり関心がいきませんが、花期の8月ころには注視して見極めたいと思います。

 
 サネカズラ(マツブサ科サネカズラ属) 別名ビナンカズラ

 西山の山塊は小さく、植物たちの種類も驚くほど少なめではないでしょうか。そのような状態ではありますが、普通に歩く道々の稜線上では古代より営々と命を繋いできている樹種もわずかに目につきます。地球温暖化の進む時代ではありますが、以下のような大木に続く樹種は出てきてくれるのでしょうか・・?。

         
ツガ(マツ科ツガ属)*1     ウリハダカエデ(ムクロジ科カエデ属)*2    ケヤキ(ニレ科ケヤキ属)*3
    *1 ツガはなぜかここ以外に成木や幼木すら目
に入りません。この大木も近年元気がほとんど
なさそうです・・。 

*2 ウリハダカエデのこれだけの大木は他に見
たことはありません。でも、先の強風台風の爪痕
が痛々しく、持ち堪えられるのか心配です。

*3 ケヤキもここ以外にはほとんど自然林は目
にできません。比叡山のように植林を見習うべき
ではないでしょうか・・。

*4 カナクギノキは比較的個体数は多そうです。
でも、よく目にする赤い実は可愛らしくて素敵で
すが、花時も注視していきたい種でもあります。

*5 イヌブナですが、こちらの山塊には本ブナは
分布しないようで、その代わりにイヌブナの個体
数は結構見受けられます。それらの内の横綱ク
ラスではないでしょうか・・。
   
カナクギノキ(クスノキ科クロモジ属)*4         イヌブナ(ブナ科ブナ属)*5

 カエデの仲間は西山山塊では以外に少ないのが残念です。少ないカエデ類ですが、そのような中では一番元気で成長盛んなのがお気に入りのコハウチワカエデと勝手に思っています。でも、今年はこの子の紅葉時を見逃したのが悔やまれます。来年はしっかりその時季を忘れないでおこうと今から心します。笑い

         
    コハウチワカエデ(ムクロジ科カエデ属)     

 ヤブコウジも近年では、思いの他で赤い実をつけている個体が少なくなってきているようです。道を外れて探し回っても、せいぜい幼木しか目に入らないようです。まして赤い実にはなかなか出会えなくなっているのではと思うのですが如何でしょう・・。

     
 ヤブコウジ(サクラソウ科ヤブコウジ属)   ポンポン山 山頂12時前11℃ 

11/20シマカンギク ホームヘ 12/13.タマミズキ

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