西山の春を訪ねて ’20.2.15 くもり

 今日の道はわたしの想像していたところとはかなり違ったかたちでこの身を迎えてくれたようだ。これまで踏んだ西山の地もいろいろであるのだが、やはりこの時季であれば目に留まる植物など期待できるでもない歩きで、坂道をゆったり歩を進めた。

 最初はニワトコの蕾がほころびかけているのが目に留まる。野山の春一番に芽吹くニワトコは落葉低木で、普通に出会えることからハイカーはどなたでも馴染みの木だろう。葉は対生で、羽状の複葉である。しかし、花のつく枝の小葉は2~3対だが、花のつかない枝では3~6対と多くなり、その点を両方覚えず片方だけの記憶知識では誤認するなど、この点ではやや珍しい生態ではなかろうか。乏しい知識である我が体験なのだが、この種も自然観察時には一口小話等話題尽きない樹種でもあり、同行者の喜ばれる笑顔の期待できる樹々だと、勝手に思っている・・。笑

 
 ニワトコ(ガマズミ科*ニワトコ属) 別名セッコツボク

 *これまでのレンプクソウ科のニワトコ属、ガマズミ属、レンプクソウ属がAPG 分類体系ではガマズミ科へ変更となっている。(2020.3.31追記)

 それにしても嬉しい限りだが、コクランは西山では多くの道々で出会えることのできるラン科で一番手の種であろうとみている。しかし、群落もなくはないが、それに引き換え↓画像のように単独個体の方が多いような気持である。いずれにしても、このコクランも大切に見守りたいものだ。

 
 西山では普通に出会えるコクラン、冬でも常緑で年を越せる種である

 タンキリマメはつる性の左巻きに伸びる多年草であり、葉は3出複葉であるが、先は尖らず丸っぽく毛が多い面白い姿が特徴的だろう・・。花は夏から秋に5~20個と小さな花を多くつけるが、その花も独特な姿が面白い。それに種子が2個入る豆果は秋には熟し赤くなって裂開し、黒くてつやのある姿が長く下がり、これまた印象的である。この種の近縁種トキリマメも極めて酷似するために、二種の見分け方を知ることも自然観察の楽しめるひとつでもあろう。

     
 タンキリマメの豆果は長く見られるのも特徴   同左の葉も今なら疲れ気味だが姿が独特 

 樹木の赤い実は目立つのが嬉しい。

         
アリドオシの実はいよいよ赤色濃くなり    4裂で淡紅色に熟すマユミの実は華があり    実が鮮紅色に熟す植栽のトキワサンザシ 

 本日の下山には初めてのルートより土御門天皇金原陵(つちみかどてんのう かねがはらのみささぎ)へと下ろうと決めていた。稜線から雑木多い尾根を降りれば、すぐに土御門天皇金原陵があった。陵へは実は10年以上ぶりにやってきたのだが、今回の下山コース取りではなく、南側から住宅地よりの登り気味に辿りついていた記憶があった。

 広い田んぼの中にポツンと天皇陵だけが広がっていた風景が頭の片隅に残っていた。だが、着いたそこで驚いた!、その周囲は田んぼがどこまでも広がっていたと思っていたのだが、東側はびっしりと新しい住宅が建てられているではないか。このような景色は予想だにしなかったのだ。昨今の開発は天皇家おも、こうもないがしろにするのかと、誠にに残念な気持ちとなった。しかし、時代が時代であれば致し方ないのだろうかと居た堪れない気持ちで家路についた。

 なお、土御門天皇は第82代天皇であった後鳥羽天皇の第一皇子で、鎌倉時代に第83代天皇であったのだが・・。それはさておき、令和2年、今上天皇、雅子皇后様と愛子様ご一家の弥栄のご繁栄を祈りながら道すがらとぼとぼ歩きだった。
 「陛下のご趣味の1つは登山で、富士山や伊吹山など、これまでに170以上の山々に登られたということです。登山の途中、出会った登山者にも気さくにことばをかけられるということです。平成29年(2017)9月には、山小屋で1泊して、標高2646mの八ヶ岳連峰の西天狗岳に登られました。険しい岩場もあり、同行した職員の中には息を切らす人もいましたが、天皇陛下は健脚を披露し、山頂では雄大な風景を写真に収めて「本当に景色がいいところですね」とすがすがしい表情で話されました。」、とNHK NEWS WEBにあった。

         
土御門天皇金原陵     陵入口付近を見る   天皇陵の側までびっしり住宅が建つ 

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