比叡山のキタヤマオウレン開花始まる ’20.2.20 曇のち晴

お詫び2/22 こともあろうに、植物の中では一番大切なのがその名前の情報でしょう。その花の名前が間違っていました。次のようにバイカオウレン➡キタヤマオウレンに訂正をさせて頂きました。

 最近、当HPにお越しいただいた植物のプロの先生より、「比叡山のバイカオウレンはキタヤマオウレンでしょうね・・」、とお教えいただきました。その花は本州の日本海側(岐阜県・福井県・滋賀県・京都府)の山地の林内に生える常緑の多年草で、これまで長くバイカオウレンといっていた花がキタヤマオウレンで近縁と考えられますが、別種のようです。

 2011年に門田先生によって、新種発表論文によるキタヤマオウレンとなったようです。その主たる点は、いろいろな外見や、地中へストロンをもつ点のようです。ウィキペディアによれば、「匍匐茎(ストロン)或いは走出枝(ランナー)は、異なる物であるが、実際上、両語を明確に区別して使用される場面は少ない。」 とあります。

 さらに、門田先生による新種発表論文には、地中を横走するストロンがあること。それに葉はバイカオウレンより大型で、葉身は普通三全裂する。ただし、同じミツバノバイカオウレンは三つ葉であってもストロンを出さないので区別でき、キタヤマオウレンの分布域西部(福井県西部、滋賀県北部、京都府東部)には、葉身が掌状に五全裂して一見バイカオウレンに似た個体が出現する。比叡山で今回観察したものはほとんどが五全裂で、三全裂は珍しいかも知れない。また、花弁の舷部は柄杓状で、花茎はより太くかつ暗赤紫色である。

 山渓の図鑑では山渓ハンディ図鑑8 増補・改訂・新版 高山に咲く花が 2014年4月に初版が発行されていたようですが、わたしは古い「山に咲く花」・「野に咲く花」しか見ていなかったのが誤りの最大原因でした。ご容赦ください。お教えいただいた先生に大きな感謝です。』


 

 これだけ温暖化が進めば、2月中旬であってもキタヤマオウレンの咲き初めくらいは見られることだろうと読んで向かった。すると思わくどうりに何とか都合10輪ほどが、「今年は早い春が来たヨ」、と歌うように呟いてくれている気分で見惚れているのだった。我が頬はちょっぴりひんやりする風にもめげずに快く頬を緩めていた。

 
A. キタヤマオウレンは右の小雪融け芽だして咲いた。葉は雪中だろう・・

 主たる特徴等

1.白い花弁に見える部分は萼片で5個。そして花弁は、先端が黄緑色に見えている部分で見難いが姿は円形であり、やはり5個ある。なお、↑A画像の花弁姿は円形がはっきり写っている。

2.左1と同じで萼に花弁も5個づつだが、こちらの花弁は黄色く見える部分で、姿は1と違いこちらは不鮮明だが楕円形のようだ。

3.この花と2の画像は、1と同じ大きさだが、拡大のために1.5倍ほど大きく写した。ところがこちらの花弁の姿はピンボケだが、楕円形であった。

4.葉は五全裂し、小葉は倒卵形で、浅く3裂し、細かな鋸歯があり葉脈は浮き出る。また、葉には、短いながらも小葉柄と呼べるものがあった。

     
1. 白は萼片と黄緑色は花弁、この花弁は円形   2. 花弁の形だが、この花弁はよく見れば楕円形
     
 3.先が白いのは雄しべの葯で花粉を作る役目   4. 五全裂で見づらいが短い小葉柄がありそう

 カバノキ科ハンノキ属だが、さて、この花の木の名は厳密にはカワラハンノキだろうか・・。何度もそばを歩いているのに葉姿の確認が出来ていなかったので、葉の展開前に咲く花を見ても確たる同定が不安である。実に情けない。山地の河原に咲いていたので、それだけで単純にカワラハンノキだと全くの素人感覚そのものだ。帰宅後図鑑確認で、雌花序が雄花序の下側につき、雄、雌ともに花序は下向き咲いていることから「ケヤマハンノキ」だろう。

 図鑑には花は4月とあるが、その点は如何だろうか。でも雄花序は2~4個が垂れ下がって咲き、雌花序は下向きに咲くとある。この点はバッチリだからケヤマハンノキで間違いなかろう。いずれにしてもお世話になっている先生に聞いてみよう・・。涙

 なお、葉や枝、冬芽など、全体に毛のないものを単にヤマハンノキというのもあるようだが、中間型もあり、毛の様子は個体によって変異が多いと図鑑にあり、ハンノキ属の同定はなかなか容易ではなさそうだ。トホホ

         
  ケヤマハンノキ(カバノキ科ハンノキ属)  4番目の雄花序は花粉が終わった後か? 

 蕾や果実たちはまだまだ少な目のよう・・

     
1.イワボタンの越冬葉、3月中までには咲こう    2.イワナシも今月末あたりには咲こう 
     
 3.ホンツゲは3月中旬までには咲こう   4.ツルアリドオシ果実、花期は初夏の5月末か 

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