西山の花巡り ’20.3.21 晴

 すごい数のトウダイグサを見つけたよ!、と知らせが入って喜び勇んで出かけて来た。名前こそ知っていても、これだけのお花畑状態を目の前にしたことはなかったと思うほどだ。さて、トウダイグサ科は草本から木本まであり、いろいろな姿の花や葉に果実など、とりどりの形があってなかなか面白いグループのようだ。ただ、多くは植物体に乳液をもち,傷つけると白い汁を出すため触った手が被れるので要注意だ。いずれにしても、有毒種が多いことはしっかりチェックしておきたい。

 しかしながら、野や山地や高山に住み分ける等でも花好きなハイカーには楽しみな集まりのようだ。わたし的にも、野山に咲くトウダイグサやナツトウダイ、山地に咲くタカトウダイやヤマアイ、それに高山のハクサンタイゲは白山はもちろん、百名山では珍しくなく普通に見られる等以外にも、木本類のシラキやアカメガシワなどについても興味はつきない。

    花はトウダイグサ科の中でトウダイグサ属とニシキソウ属だけは
  壺形の杯状花序といって風変わりな花序をもつことで知られる。
 
     
 
↑のように、このような状態で左右に2~30mは広がっていただろうか

トウダイグサ(トウダイグサ科トウダイグサ属) 

高さは20~40cmになる2年草
 

 
 続いて、こちらも野に咲く花でコオニタビラコだったが、近年田んぼでもおいそれとは見かけない花となってしまっている。ただ、こちらのコオニタビラコとの名が面白い。それはなぜかと言えば、春の七草のうちのホトケノザが本種なのだ。ところが、「エ~、ホトケノザって紫色の花で違うでしょう・・?」と声の出る方は単なる花好きではないだろう。「なんで・・?」

 実は春の七草のホトケノザは、野原に早春から咲き誇るシソ科オドリコソウ属のホトケノザの紫色の花ではなく、キク科ヤブタビラコ属のコオニタビラコが標準和名である黄色花であり、古来は葉のつき方が八方に広がって出ることから仏様が座られる座布団に見立てたのがホトノケノザというようで、正しくはオニタビラコよりやや小さいのでコオニビラコ(小鬼田平子/別名タビラコ)との名前となったのだろう。
 もっともさらによく似た花で、ヤブタビラコ(藪田平子)もコオニタビラコと花そのものは酷似するのだが、生える場所が異なり、コオニタビラコは田んぼや畦道などに咲き、ヤブタビラコは人家近くの林や林地にでも見られることもある花なのだ。

 
コオニタビラコ(キク科ヤブタビラコ属) 

 さて、肝心の春の七草の7種はどうかといえば、「せりなずな 御形(ごぎょう)はこべら 仏の座 すずなすずしろ これぞ七草」 と、源氏物語の注釈書に「河海抄」 の中で春の七草のことを記載しているようだ。 なお、古くから新春の1月7日(五節句の1番目の節句である人日(じんじつ)の節句)に、春の七草を七草粥に入れて食べる習慣がある。 これを食べ1年の豊作と無病息災を願った行事のようだ。

 一方、秋の七草もあるが、こちらは覚え方等が新聞や書籍はもとよりTV等でも見られる。それは「お・す・き・な・ふ・く・は」と世に認知されているので覚えやすい。もちろん、オミナエシ、ススキ・キキョウ・ナデシコ・フジバカマ・クズ・ハギである。

 さてはて、春の七草の覚え方は世に認知された語句らしきものはなさそうだ。ネット上でも、各自好き勝手にいろいろお気に入りの覚え方を書き並べている。かといって源氏物語流↑でも覚えにくいだろう・・。そこで、わたし流の覚え方だが、笑って聞き流してもらって結構だ。「す・す・は・ほ・ご・せ・な」と昔から、春の七草の自己流の語呂合わせで覚えきっている。もちろん、この覚え方には特に意味はなく、身勝手な覚え方なのだ・・爆笑

 最後に花の名前は各々が古名であって、分かりにくいのでふれてみたい。スズナはカブ、スズシロは大根、ハコベラはハコベ、ホトケノザは小鬼田平子(こおにたびらこ)、ゴギョウは母子草、セリは芹でナズナはぺんぺん草のことだ。

     
春の七草ではないシソ科のホトケノザ   放棄田には150坪以上のホトケノザが広がる

 その他に目についた山野草類は次のとおり

       
 タガラシ(キンポウゲ科) タネツケバナ(アブラナ科)   アマナ(ユリ科)  谷筋のユリワサビ(アブラナ科)

3/15西山のミヤマカタバミ ホームヘ 3/24.西山でヒメリュウキンカ







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