比良 武奈、釈迦岳の花巡り ’20.5.14 晴のち曇 

 早く行かないとシロヤシオが終わってしまうのでは・・と無理やり出かけてみた。ところがシロヤシオの花は全く目にしない。目を皿のようにして探し回ったが、ようやく一株だけ枝の先も上のほうでやっと蕾がうつむいているばかりだった。その他のサラサドウダン類等もまったく蕾も見当たらない。どうしたのだろう、去年が裏年だっただろうから、今年は楽しめるだろうとの読みが外れてしまった。それともこの後で咲いてくるのだろうか・・。イヤそんなことはないだろう。トホホ

 ところが、神様は見捨てはしなかった・・。今回はユキグニミツバツツジが正面谷コースで三箇所と釈迦岳からの下山道で5~6か所も美しく咲いてくれていた。この時季の京都の山人はコバノミツバツツジばかりが春先のツツジ巡りなのだが、比良山系でこれだけのユキグニミツバツツジの当たり日となってくれて大感激であった。
 もちろん、湖北あたりまで足を伸ばせばこのツツジだけでなく、同じように綺麗な色あいの花を咲かすダイセンミツバツツジ、ムラサキヤシオ等、いずれも日本海よりの山々では見放題なのだが、そうやすやすとは遠い電車にも乗れないのが辛い・・。

 
ユキグニミツバツツジ(ツツジ科ツツジ属) 
 
葉は中央部より基部寄りが幅広い  
       
 主脈は毛深いし、葉柄が無毛なのもポイント
 咲き始めは特に色鮮やかな紅紫色が美しい  

 

 申し訳ありません。ツルキンバイから2018年同定時のミツバツチグリに以下の理由等により戻させていただきました。(’20.5.16)

 
 近年の春先というより、この頃は初夏といえばいいだろうか、今日も暑かった。この時季の武奈ケ岳登山であの花がどうもハッキリしないのだ。これまでからミツバツチグリだろう・・?、くらいのいい加減な同定しかしていなかった。今年もその花が咲くころとなってきた。ようやく本腰を入れて事前準備してから向かおうとしたのだが、正直頭が痛い。

 それもそのはず、バラ科のキジムシロ属は種類多く、それぞれが酷似するために簡単にはいかない。キジムシロは葉の数が独特のために分かりやすいが、その他の3小葉の仲間たちにはほとほと手を焼くとはこのことだ。花はもちろん、葉も素人にはおいそれとはいかない。

 今回の花、径約1.5cmくらいで、3小葉にいたっては、頂葉の長さが約8mmくらい、後の2枚の長さは6~7mmほどと、極めて小さいのだ。もちろん、数字はルーペ使用の定規で計ったからほぼ間違いないハズだ。その小さな葉の裏表などはピンセット持参忘れでキチンとつかめない始末なのだ。こんな小さなことで頭がおかしくなりそうだった。結局、ミツバツチグリの葉なら長楕円形でもなさそうにみえる。それにイワキンバイなら葉裏が白っぽいのだが、白くもなく緑色だ。ならばこの花の名前は何だろう・・?、という始末だった。

 そして帰ってから、本日持参した各種4種の主たる区分点のメモ帳を読み返してみて、托葉を現地で調べることをすっかり失念していたことが判明した。「そうだ、これだ~托葉の切れ込みの有る無しだ・・」と帰宅後に細かい同定ポイントが分かることとなって全く馬鹿丸出しとなってしまった。笑

 それでも相変わらずピンボケの撮った写真を睨みつけて見るが、目的の托葉部分がハッキリと写ってなさそうだ・・。でも、それらしい↓画像の托葉部分で見れば「茎上部の托葉は切れ込んでいるように見えそう」とのことで、本日の観察結果は一応、ツルキンバイだろうとしたが確実とはいいがたい。

 花の大きさも気になるが標高1200mもあって常に風等で気温がそう高くはないのだろうから、花や葉も小さく成長もいたしかたないのだろう。それに、疑問点はランナーのツルがそんなに目立たないことだ。いすれにしても、来年こそはこれらを忘れずに再度観察することとしよう・・。涙

 帰宅後いろいろ調べるも確たる名前が出てこないため、やむなく相当前から花名等お詳しい岐阜県の方にお尋ねしたところ、以下の写真からミツバツチグリでしょう。とのお答えを頂いた。ありがとうございました。謹んでお詫びし訂正させていただきます。なお、4/29に田んぼの畦道に咲いていたミツバツチグリの写真を参考までに貼らせてもらいます。


バラ科キジムシロ属の3小葉で特に似る仲間の違い等(追加)

  1ミツバツチグリ   2ツルキンバイ 3テリハキンバイ  4イワキンバイ 
花期・花径  4~6月、1~1.5cm  4~6月、1.5~2cm  4~5月、1.2cm 6~8月と遅い、1cm
  3小葉。小葉は長楕円形
で鋸歯は丸っぽい。
 
3小葉。小葉は卵形で、
鋸歯が粗い。
3小葉。小葉は卵形で鋸歯は低い。
色が濃く光沢がある。
3小葉。小葉は卵形で鋸歯は低い。
生育 人里、田畑、低山、山地 山地、低山、林縁 川岸の岩場、林縁の礫地 山地帯から高山帯の岩礫地。
ポイント  2に比べると小葉が細長く
長楕円形で、鋸歯が鋭くない。
根生葉は葉脈裏面に隆起し易い
小葉は卵形で鋸歯が鋭い。
小葉は草質で薄く、ランナー
が長く目立つ。
色の濃い光沢のある葉。裏もテカる
長いランナーも特徴。
3小葉の種のうち,花茎に葉をつける点
が一番の特徴。葉裏は白っぽい。
よく似る
仲間等 
2によく似るもランナー(走出枝)
がこちらは短い
小葉は卵形で鋸歯が鋭い。
また、ランナーが長い
1に似るが葉の色が濃く光沢があり
また、長いランナーがあり、その点
では2と同じ
高山帯のミヤマキンバイに似るが省略
托葉 茎上部の托葉は切れ込むが
茎下部の托葉は全縁
托葉は切れ込まない
その他 花弁基部細く萼が星型に見える 茎に細い毛がまばらに生える
花弁基部に紅色斑が目立つ
茎に開出毛がある。
花弁と花弁の隙間から萼が見える。
茎に白っぽい長い毛が散見される。


 
ミツバツチグリ(バラ科キジムシロ属) 
         
 実物より小さく写っている、3小葉が多く目立ち   1枚持ち帰り葉裏、時間たち黒褐色の縦線つき   花だけではミツバツチグリ似のようだが

 先の4/29に田んぼの畦道で見かけたミツバツチグリの画像追加しますので参考にご覧ください。

 
(参考画像) ミツバツチグリ 


 今年もフデリンドウだけは変わらず多数の花たちが咲き誇っていた。鹿に見つけられないでもらいたい。でも極小さいから目立ちにくいのだろう。こちらでの花の高さは5cm未満と小さな小さな妖精たちばかりだから・・。祈り

 
フデリンドウ(リンドウ科リンドウ属)根生葉はほぼ見えない 
         
    木陰の元、枯れ葉の中で咲いてくれる~♪     

 いずれも可愛らしい野草たちが渓谷沿いにいつまでも咲き続けてほしいと願わずにはいられない・・。他にもお目当て花があったのだが、キッと遅れているのだろうと思いたい・・。


 クルマムグラ蕾、稜上に棘なし 
     
 さすがにボタンネコノメソウも終わりだ 
  モミジチャルメルソウもう終盤   
 
 ナツトウダイが咲き初めとなり~
       
フモトスミレも終盤となり 
   イワカガミはなんとか間にあった  

  チゴユリは満開であちこちへ
     
 ウワバミソウも本年初の出会い 
  今年初のミヤマキケマン、少ない!   

 そうそう、ホンシャクナゲもわずかに残花が見られた。志賀直哉の『比良のシャクナゲ』もまたぞろ、思いだしながら眺める男がいた。また、読もう・・。笑

 
 ホンシャクナゲの色あいよし!

5/12西山で咲く花 ホームヘ 5/18河川敷雑草巡り第二段






5/30.小女郎谷から蓬莱山

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