北山に咲くヒトツボクロ ’20.6.12 小雨のち曇り

 わたしは6/8にいつもの比叡山にヒトツボクロの開花を見に出かけていた。本当のところ二年前の開花後にその花殻が無くなってしまったのだが、今回その跡へ大きい葉と幼葉とが出ていただけの状態を目にして、これだけで満足したのだった。しかし、天気予報で梅雨入りが近そうと思うようになって、「そうだ、以前に花とりわけラン科に精通している花友より聞いていた北山のその花はどうなんだろう・・・」と思うようになってきた。でも、もう10日には梅雨入り宣言となってしまった。

 よし、明日なら何とか雨もそう酷くはなさそうだからと無理やり向かってみたのだった。実のところその地へは話しだけで、実際のヒトツボクロには出会ってはいなかったのだが、先のメモを捜し出し、それを手掛かりに小雨煙る薄暗い樹林下であったこともあり、あたりを探し回ってようやくに見つけ出したのだ。
 ところが、独特な葉はあったが、肝心の開花がほとんど終わってしまってたのだ。でもヒトツボクロ・ヒトツボクロとひとり言を繰り返しながら執念だった。これだけの葉があるのだから花も咲き残っているかもしれないだろう、との思いであったのだ。そしてどうにか名残花一株を目にすることができたのだ。「ヤッタ~!」と思わず声が出ていた。もちろん、この雨模様の中だけにハイカーなどの姿はないのも頭にあった。

 だが、この悪天候もラッキーだった。それはRDB京都府カテゴリーは『もちろん、絶滅危惧種』なのだから、探し回ったり写真撮影等のこちらの姿も知られたくないのは当然だった。そもそも「一つ黒子」という和名が面白い。でも、どうみても地味目な花であることは生きていく戦略のひとつなのだろう・・?。
 山肌の落ち葉まみれの中に同じような色あいで、暗い環境で、わずかな風にでもゆらゆら揺れてしまい、撮影が難しい植物が立っているのだが、ふつう漫然と歩いても目には入らない代物なのだ。

 草丈は15~25cmと図鑑にあるも、40cmもあったので余計に風をうけてジッとはしてくれない花だった。見た範囲で目についた葉16個、開花が終わっていたのは11個、小さめの幼葉のみが4個だったのだが、もっと多くあるのかもしれない。これからのこの地も大切に見守りたいものである。

 なお、前回のヒトツボクロの開花は比叡山で見ていたが、その時の様子はこちらからどうぞ

 
ヒトツボクロ(ラン科ヒトツボクロ属)花11個、内下3個枯れて 
         
葉は1枚つき、長さは4〜7cm 
表面は暗緑色で粉を吹いたよう
中脈が特に白くよく目立つ  
  裏面は鮮やかに濃紫色で異様な雰囲気    葉は花茎と離れて1個でる
 葉縁に波状鋸歯があり、葉柄は長い
9中には枯れて消え、横に新葉芽出し始まる

 ヒトツボクロとは違い、オオバノトンボソウは同じラン科であってもそれほど人気はなさそう・・。それに花の高さも大きくは60cmにもなるために、鹿にもよく見つけられて芽出しは多くても、花が咲くまで身がもたないのが可愛そうな種であろう・・。それでもようやくに開花となれば個体数が少ないだけに、それはそれで興味が湧くだろう・・。その頃は7月上~中旬くらいかな?

 
オオバノトンボソウ(ラン科ツレサギソウ属) これは咲けるか 

 梅雨入りで俄かに芽吹きだしていたギンリョウソウだがこれからだろう。エっ、この腐生植物の花がツツジ科ってか・・?。信じられない~・・。笑 次の小さな花もこちらではやっぱり雨を待ってたのだろうか、やはりあたり一面にツルアリドオシが賑やかになっていた。

     
ギンリョウソウ(ツツジ科ギンリョウソウ属)    ツルアリドオシ(アカネ科ツルアリドオシ属) 

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