西山のヤマモモとヤマナラシ ’20.615 晴

 雨音の日が増えた。梅雨、いよいよこの時季には西山にも(にび)色の霧雲が立ち込め山の端まで隠す。でも、時にはその景色も変わってくれることもある。短いそのような頃を狙って樹々の営みを垣間見てみよう。まずはヤマモモの果実の進み具合としよう・・。
 沢山ある実の中にはそろそろ完熟の近いことを知らせてくれる状態となってきたようだ。そうは言ってもその走りであってしばらくはかかりそうな感じであった。↓画像のように三色の進行形の見本のごとき実が目に入る。笑 次にやってくるころには赤黒色一色となって口へ放りこめる頃を一途にさがしたい・・?

 
ヤマモモ(ヤマモモ科属) 

 続いて、ヤマナラシである。こちらは6月中旬ともなれば、その営みに動きはそう目立たなくなってきたようだ。あえて探し回れば高木の周りには昨年だろう、綿毛いっぱいの種子の落下から実生で20~30cmほどに育ってきた一年生たちが次第に目立つように賑わってきていた。あ~、ヤマナラシの次世代たちの成長が今年も始まるのだろう・・。と今年の春に刈り取られてしまった先輩たちのことを思い、しんみりしながら眺める男がいる~。笑

 
 高木で枝先折れた痛々しい姿のヤマナラシ(ヤナギ科属)

 次は西山では珍しい樹木であるカゴノキだ。こちらは過去から六甲山以外の京都でこの木を見たのは、植物園ではもちろん見てはいた。しかし、京都での自然種は保津川の旧船曳路の絶壁で見かけた限り、その他では目にしていなかった。近年ではカゴノキと聞けばわたしにとってはすぐに保津川下りの旧船曳路歩きを語らないわけにはいかない。当時はその箇所では危険を承知で近づき、カゴノキのあの独特の木肌(↓左画像)を手で触りまくった思い出が忘れられない。もちろん写真など撮る余裕はまったくなかったのだ。

 それは忘れもしない。’13.9.16の台風18号によって日本各地に甚大な被害をもたらしたために保津川も土砂崩れによる大被害から、その後の「保津川の旧船曳路」は廃道化が進んで、今では岳人は入山できる状態ではなくなっている。
 なお、わたしが最後にその台風後を見ようとのことで歩いたのがこちらである。しかし、あの台風18号はTVでも全国放映された嵐山渡月橋付近の大荒れの様子は恐ろしいの一言であって、そのための旧船曳路道が消えたこと自体が忸怩たる思いで大変な不幸と言わざるを得ない。

 この樹は常緑高木で、高さ20mほどと高木になり、幹の樹皮がまるい薄片になってはがれ落ち、その跡が白い鹿の子模様になることが面白い。このような樹木を紹介していただいた方にも感謝したい。この樹の花期は8~9月といわれるために、この晩夏にはぜひともその花を目にしたいと樹木に直接お願いをしてきたのだ。相当の古木のために心配ではあるのだが、こちらの熱意に対し、さぞかし、一杯の花を咲かせてくれることだろう・・。笑

         
 カゴノキの名の謂れの木肌が鹿の子模様   カゴノキ(クスノキ科ハマビワ属)    カゴノキの葉のふちは全縁で葉柄は長くない 

 カゴノキのそばには、これまた珍しいリンボクの高木が二株並んでいた。この種はサクラの仲間であるのだが、春に咲く落葉樹ではなく、秋咲きの常緑樹である。多分一般的にはほとんど知られていない桜なのだろう。こちらはウラジロキ、アズキナシなどと同じように、4~5mくらいに成長しても花はつけてくれない。それには幹も相当の太さとならないと花は期待できない。でも、こちらの個体はそれなりに古木のようなために、西山では二か所目になるのだが、9~10月の花期にはできれば同時にカゴノキとリンボク二種の開花を一緒に楽しませてくれると最高の幸せとなろうに・・。祈り、ペコリ

 
 リンボク(バラ科サクラ属)

 さて、西山でも里山では昔から梅林が盛んだったようだが、近年の高齢化であるのか、そのあたりは放置され荒れている。そのような中において、今春に花を見つけた「スモモ」に果実が色づいてきてた。この果実も子供の頃の思い出の果物であり、懐かしさ一杯の出会いであった。果実は直径4~5cmの球形で表面は無毛、6~7月に熟すとあるために、次回にはそのつもりで臨みたいものだ。笑 なお、早春に見つけたスモモの花はこちらからどうぞ

 
 スモモ(バラ科サクラ属)

 他の樹々の花や実たちが見られた。

         
 サカキの花は始まりの雰囲気   小さなウメモドキの花は終盤のよう    テイカカズラの花の進み具合いろいろ 
         
シバグリの花はもう終盤のよう    リョウブの開花は始まったばかり    コジキイチゴは実の中味がスカスカ 
         
カスミザクラのサクランボも色づく    エゴノキの狂った果実でなく若い果実    急登地のヤマモモはこれからだ 

 ムラサキニガナ(キク科ムラサキニガナ属)の開花はこれからのようだ。しかしここは日差しよしの地で花の高さは170cmと背高のっぽのようだったが、目の前に猛烈な高木のモミノキが立っていることからそう高いとは感じもしなかったが・・?

 
ムラサキニガナの茎は中空らしい、どうりで倒れること多し 

6/5サイハイラン、ハンショウヅル ホームヘ






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