比良細川尾根から武奈ケ岳’16.8.19

 JR堅田=細川-細川尾根-武奈ケ岳-北稜-細川乗越-ツルベ岳-ナガオ-広谷-イブルキのコバ-北比良峠-大山口-JR比良駅

 酷暑の中を細川尾根だった。その目的は真夏に咲くジンバイソウが見たくて、暑さ承知で登ったのであったのだが、残念ながら葉すら見事に消えてしまっていたのである。その犯人はやっぱり鹿しかありえないだろう。

 さて、細川登山口手前の民家沿いにはタカサゴユリの群落地が満開となっていた。帰化植物とはいえ、花のないこの時期に咲くタカサゴユリも愛しい。登山口から歩きなれたる道なのだが、すぐにもう汗びっしょりの状況で、Ca500あたりで最初の一本であった。さすがに8月、それも近年にない猛暑日の連続で、こんな時期に低山歩きをするのは××だ・・と思いながら歩いているこの人はどうかしている・・。

 P706で数少ない平坦地である。ここでもう行動食を取る始末だ。さぁ、この後から急登が連続する。でも、今日はゆっくり休みながら行こう、と心した。岩の転ぶ地の上あたりでホツツジが咲き、オオウラジロノキの果実が道沿いに多数転んでいるが、写真など撮ろうとする元気もない。
 やがて、株別れのイヌブナだ。ここはややフラット地となっているので一枚パシャリだ。その後あたりからブナの古木が現われだす。そして道沿いに二股のブナである。ここでは写真で休憩であった。ここまでくれば、Ca1050あたりの杉の大木地は近いので頑張ろう。
 どうにか大杉地(11:40)に着いた。なんと細川バス停から2時間もかかっているではないか。しかたない、ここで食事か、どうしよう。結果、いや、山頂は日陰はない。だったら北稜を下った木陰で食べよう、ここではまだ早い、なんとか上で食べよう。そんなことよりジンバイソウはどうなっているのだろう・・。などと考えながら一休みであった。

         
 葉を取って確認イヌブナだ。    二股の本ブナは毎回撮る。    最初の稜線となる大杉地

 ここからはほとんど傾斜は少ない。イワカガミの葉が群生である。でもいくら目を凝らしてもジンバイソウは目につかない。せっかくの猛暑の中を登ったのに悲しいかぎりで泣きたくなってくる。やがて北側には蛇谷ケ峰がうっすらと見え、ツルベ岳が近い。そしてなんとか北稜のケルン地であった。今日の後半部分であるナガオの稜線がしっかりと浮かぶ。そしてすぐに本日の高みである武奈ケ岳だったが、先着は二人だけの静かさである。金曜日だから仕方がないだろう。すぐに北稜へ下ろう。

     
 北稜ケルン地からのナガオ    武奈ケ岳

 北稜ではコハクウンボクとフウリンウメモドキが果実を見せてくれた。とりわけフウリンウメモドキは比較的少なく、その果実が赤くならないとなかなか見つからない種であるために、久しぶりの出会いとなり感動もので、その下へもう少し降りて大き目の杉の下の木陰で昼飯も美味かったのが唯一本日の収穫となってくれた。

     
コハクウンボク(エゴノギ科)     フウリンウメモドキ(モチノキ科)

 食後はツルベ岳はなんなく登り、最後の歩きとなったナガオの稜線歩きである。こちらはほとんどが樹林帯歩きであることから、暑さが抑えられて比較的歩きやすい。Ca1050地点が岩交じりだが自然がいっぱいで、足にやさしい道ばかりであり、これ以上の団体での登山者の入り込みの少ないことを祈ろう。

 
Ca1040下の小さなケルン 

 もっともこの稜線には珍しき植物はこの時期なら期待できないために、今日はどんどん歩こう。予定どうり広谷道標手前に着地すれば、その後にヤマジノホトトギスがようやく一輪だけ咲いていた。それに初夏に咲いてくれたクモキリソウの果実の姿など見て、よしよし、盗掘されていないなと確認しながら下山となった。
 大山口、JR比良駅までの道は通いなれた道であるのでただ歩くばかりである。そうそう、八雲が原のサギソウは壊れかけた木道上から数えてみれば10株しか咲いていなかった。八雲が原湿原一帯の回復は期待できないのだろうか。それにしても本日はジンバイソウも無く、猛暑にバテてしまう歩きで、いかんともしがたい一日となってしまった。

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愛宕山に咲く花

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