比叡山に咲く花 ’17.7.8
オオバノトンボソウ、オニルリソウやノハラナデシコの咲くころとなっているだろうと比叡山に上がってみた。今夏最初の猛暑日となってしまったが、残念ながら鹿の食害なのだろうか、ずべてが姿を消していたのには心痛まれた。
ところで、『鹿の忌避植物』という言葉がネット上に目につきだしている。鹿も植物を食べて生きているのだが、昨今の鹿増加から食い物競争の世界となって、食べられるものは自然界の中においては、ほぼ食べつくした感の山中であり、生きていこうとする彼らの次の食べ物は忌避植物がターゲットとなりそうな昨今ではなかろうか。それらにはトリカブトやハシリドコロはもとより、クリンソウ、アケボノソウ、フッキソウ、ヒカゲノカズラ、マルバダケブキ、ミカエリソウ、テンナンショウなどなど数えきれない種があるのだから自然界は雄大である。
しかし、どなたでも、知っているヨウシュヤマゴボウ、それにその仲間たちも、いよいよ餌となってきだしたようだ。見ればこのところの鹿の食害としか思えない有り様となっており、花はおろか実すら喰いちぎられている。実は今回もマルミノヤマゴボウの今を撮ろうとやってきていたのだが、予定地はすっかり全滅状態となっており、泣きそうにその場を後にした。だが、予定しない場所にはその株がニ、三あってホッとした。でも、これらの個体もいつまでもってくれるのか気がかりだ。
マルミノヤマゴボウ |
それでも、山野草類を目を皿のようにして、ようやくアカショウマの咲き初め、ユキノシタやドクダミの満開、それにクララの残花が目に入り、ウバユりの蕾も目についたが、イヌショウマの蕾はできたばかりで硬く開花は月末となろう。
アカショウマ | ユキノシタ | クララ |
しかし、野草たちはその他には見られなく、なんとも寂しい日となってしまった。だが、木本類は時期を問わずにいろいろな種が観察対象となっていた。でも開花はほとんどなく、アジサイの仲間の最終ランナーでもあるノリウツギが咲き初めとなっていた。
それに早春のころ赤く可愛い芽だしの葉がいち早く人気となるアカメガシワだが、この暑い時期のこの花を気にする山人も少なそうなアカメガシワの雌花が咲いていた。他に樹木に花をつけていたのはリョウブやヤマアジサイの残花くらいだったろうか。
ノリウツギ | アカメガシワ |
さらに、木本類の葉で見分ける観察を、今日も十分に楽しめたのだが、多くありすぎて一部の種を名のみを取り上げるも、その各々の特徴等の説明までは省かざるを得ない。一部実をつけたもの, 虫こぶもあった。
アブラチャン | ダンコウバイ | バイカツツジ | エゴノキ |
サルナシ | カナクギノキ | コバンノキ | ミツバウツギ |
コクサギ | ケヤマハンノキ | ツガ | ツゲ |
マルバマンサク | ウリカエデ | クロモジ | コゴメウツギ 赤いのは虫こぶか? |