紅葉と果実の愛宕山 ’19.11.23 晴
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月参りの愛宕さんでした。この時季というより紅葉にはやや出遅れましたが、なんとか最後の紅葉と果実たちを楽しむことが叶いました。何と言っても山頂では10℃くらいでしたが、下界では20℃越えの小春日和で、このところの寒さを忘れたハイクは何よりでした。
タカノツメがいっぱい突っ立ていました。 | ウリハダカエデは赤みが綺麗でした。 | コシアブラは少なめですが、控えめな紅葉がよい |
熊鈴を鳴らしながら、裏愛宕の紅葉狩りも楽しみました。でも、熊の好物の果実たちは裏愛宕ではほとんど目につきませんでした。この状態であれば動物や野鳥たちは大丈夫なんでしょうか・・?
大木のコナラの紅葉群立地で |
落葉樹はさすがにもうほとんど葉をつけている樹種は見かけなかったようです。高木の実を撮ってみると、やはり果実はしわがれた状態のものが残り物状態でついていました。
最初はバラ科アズキナシ属のウラジロノキでした。この木は高さ10~15mの落葉高木のために、実時やもちろん初夏の頃の花時もほとんどハイカーには気づかれません。愛宕山にも、この個体数は多いのですが、5mくらいでも花はつきませんので、余計に気づきにくいのでしょう。「『シダのウラジロ』は知ってるが、樹木のウラジロは初めて聞いた・・」との言葉を聞くくらいですから・・。笑い
ウラジロノキの実には白い皮目が目立つも、高すぎて見えず |
愛宕山でもオオウラジロノキ(バラ科リンゴ属)はこちらの個体しか見ていません。しかし、その希少なオオウラジロノキが今年は特に元気なく、果実もほとんど残っていませんでした。それも、ご覧のように果実もしわがれて惨めな姿になっていたのでした。どうやら年を越せるか疑わしい状態です・・?。
あたりには、マタタビの仲間であるサルナシがあって、昼時だったためにこの両者をデザートとして食した懐かしい想い出の二種なのですが、サルナシに続いてオオウラジロノキもこちらでは姿を消すのかと思うと、誠に残念でなりません・・。涙
本来であれば、10月頃黄緑色から淡紅色に熟す2~3cmの球形ですが |
次にアオハダ(モチノキ科モチノキ属)も赤い実ですが、これまた10mを越える落葉高木ですから、7mmほどの実では小さく感じます。そもそも、モチノキ科の花はほとんどが極小さいために、花時でもまったく気づかないようです。しかし、この木は時に枝が低くなることがありますから、関心さえあれば手に取って観察することもしばしば可能でしょう。なお、紅葉時には透けるような淡黄緑色の彩りが素敵な葉であるのも特徴です。
アオハダの特徴は短枝が特に目立つことでしょうか |
このカマツカ(バラ科カマツカ属)は高さ5~7mの小高木ですから、比較的ハイカーにも知られています。特に果柄には、いぼ状の皮目が沢山つくのも大きな特徴です。それよりも、この葉の紅葉期には紅葉や黄葉のどちらの色あいも素晴らしい樹種でもあります。
珍しくカマツカの見事な紅葉が散見されました |
目についた冬芽です。↓左の画像がカナクギノキ(クスノキ科クロモジ属)ですが、この木も高さ6~15mにもなる落葉高木であります。その画像中の右寄りの枝先に丸いのは花芽で、細長い葉芽は中央から出て空を指します。
↓右側画像がシキミ(シキミ科シキミ属)の冬芽です。シキミについては、昔の墓地は土葬でしたから、猪の掘り返し等の対策として墓地のそばなどによく植えられた有毒の常緑小高木です。↓右の画像の中心で丸っぽい球形が花芽ですが、花は3~4月ころに淡い黄色の花を咲かせます。果実は袋果8個で10月頃に熟し、裂開し鮮やかな黄褐色の種子を見せます。本種は全体が有毒であり、特に種子は猛毒を持ち、激薬物に指定されていますから要注意種であります。
カナクギノキの花芽と葉芽の冬芽もクロモジ等と同じような姿となります | 樹林内のシキミの冬芽 |
愛宕神社でお世話されているウバユリとカリンです。ウバユリは本来であれば鹿の忌避食物なのですが、近年鹿の増えすぎにより、食べられる個体が多いのですが、さすがに神様のおわす神域ですから、鹿も気を使っているのでしょう。笑い
カリン(バラ科ボケ属)は中国原産のために、古くから日本では栽培されていましたが、自然種はみられません。この実は美味しそうな果実がぶら下がりますが、木質で硬く食べたことありませんが、不味いようです。
食害に遭わず残るウバユリの実 | カリンは神社で植栽が多い |
歩いた地等です。
愛宕神社11時前10.5℃ | 竜ヶ岳から地蔵山を見る | スキー場跡碑 | ||
スキー場跡内のイヌツゲの大古木 | 西尾根四差路の大岩地 | 同じくP366の北山一の標示板 |