京都西山に咲く花’16.5.7

 今年も春から足を運んでいましたが、長岡京小沢渓谷源頭部のサクラソウ科のクリンソウ群生地は華やかな別天地となってくれました。それは三度目にしてようやく咲きそろう大満開に出会えたのでした。心浮き浮きにして、この場を辞して次へ進めば、この花をめがけてやってくるグループや単独の方たちが「咲いていますか~・・」との声にも「可愛くきれいに満開ですよう~」と笑顔で答えるのでした~。

 
大群生のクリンソウが満開で~す・・・

     

 しかし、この時期ともなれば、自然界は山野草よりも樹木の花の方へ移ろうとしていますが、小さな花の山野草もやっぱり気になります。

       
 ミゾホオズキ  サンショウソウ タニギキョウ  ミヤコアオイ 

 それにサトイモ科のテンナンショウ属の仲間たちは全国的には相当数あるようですが、この種もなかなか極めるには容易ではなさそうです。その原因は色や形等に変異が多いといわれることでしょうか・・。今回もわずかな場所でしたが、いろいろな姿が見られました。

     
 オオマムシグサ、葉に鋸歯あり 暗紫色の仏炎包をめくって付属帯を  付属帯先太丸く、花序が葉より低い
 
             
 こちらは単なるマムシグサか・・ 葉は2個つき、仏炎包淡紫色先伸び       こちらもマムシグサか葉幅広鋸歯無   これは一般的、コウライテンナンショウ 

 さて、続いて木本類を見ましょう。まずはアワブキ科アワブキです。こちらの名は生木を燃やすと切り口から泡が出ることからの謂われのようです。一度は試したいと思うばかりでまだ未実行です・・。なお、花期は6~7月といわれますから、必ず今年は観察したいものです。

 このアワブキの木の前で新緑に酔いしれました。もちろん秋の紅葉(黄葉)の最盛期も気分の盛り上がりは絶大です。その時季は11月下ころでしょうか。それから葉の測脈が20~28対と多く、またその並びが実に見ごたえがあり、この葉は山歩きの中で足元に一枚落ちていてもすぐに名が出てきます。

           

 アワブキの新緑が堪えられません~♪♪          アワブキの葉アップ、測脈が多くきれい

 続いてスイカズラ科ガマズミ属のヤブデマリです。こちらはわたし的には個体数がそんなに多くはないと思っていますが、もちろん山域によるでしょうね。最大の特徴は不揃いな装飾花が5裂し、とりわけその中の1個のみが極小さいので、見分けがつきやすい種でしょう。


花序の上から写したもの

     
 ヤブデマリ、谷あいの湿ったところを好む   枝を横から撮る。花柄が長く上向きに咲く 

 この種は毛深いのが一般的で、日本海寄りには葉の裏面や花序などの毛が少なく、無毛のものもあるケナシヤブデマリがあります。なお、スイカズラ科の中で装飾花がつくのはこのヤブデマリやケナシヤブデマリと他にはムシカリ、カンボクの4種しかありません。

 では、その他に咲いていた主たる木本類です。なお、ウリハダカエデも終盤ですが多く咲き、ゴマギは蕾膨らみ、まもなくで開花を迎えるでしょう。それに鮮黄色で咲けば目立ち、山歩きのどなたでも、「あ、あの花は何ですか・・?」、と声の出るジャケツイバラも蕾ができていましたので、10日も経たない内には開花となることでしょう。

       
 アリドオシ昨年より丁度1週間早い 遅いグループのカマツカがようやく開花  カマツカのアップ  コバノガマズミは満開続く 

 さて、これら以外にわたしの目についた実や葉などについてふれてみましょう。ウリカエデは珍しくもないのですが、なぜかこれだけびっしりと実をつけて見せてくれれば毎年レンズを向けて撮ってしまう種でもあります。見飽きてはいるのですが・・

     
翼果は水平に開き、赤みを帯びる     葉の切れ込みは少ない

 今回は普段あまり入らない観察エリアだったために、次のような種が目につきましたので、これからはこれらを目的の足運びとなることでしょう。

         
 1.シャシャンボ    2.イヌガシの新葉    3.ウメモドキの新葉

 1.これまでツツジ科のシャシャンボは1本しか確認していなかったのですが、ようやく2本目発見でした。でも相当古木で上部は枝がほとんど枯れていました。それに高木となっているために葉や花の現認が手に取ってできる状態ではないのが悔やまれます。観察はやっぱり先に見つけている別の個所となろうかと思います。

 2.これまで普段から見ていたクスノキ科イヌガシは林道沿いであったために、土砂崩れで最近なくなってしまいました。今回の出会いでこちらが以後の観察樹となってくれそうで、来春からはあの独特の花姿が見られるのかとうれしく、それに久々にこのような目出しの葉の様子に出会えて気分よしでした。

 3.モチノキ科ウメモドキの庭木樹としてはよく目にするのですが、山歩きの中において自然種を見つけることはほとんどありません。でもこちらは以前から目をつけていましたが、近年近くに林道が伸びてきて、ややその身が危ぶまれている所にあります。
 そのようなことからできる限りしっかりとした観察を続けたく思います。これまで秋の赤い果実時には目にしていますが、花の咲いたのには出会った記憶がありません。ますは花期が6月とありますので、この開花を見逃さないために、観察を頑張りたくメモしました。笑

 さぁ、これにて終了にして帰りましょうと歩きだしましたところ、やっ、この花は何んだ・・?、これは国産種ではないだろうと頭をひねっていると、生えている樹形の様子から滋賀県朽木で、そちらでは花時ではなかった木を見たことのある樹木である木のことを思い出しました。それはポポーでした。

 帰宅後そのポポーをウィキで調べてみますと「正しくはポーポーといい、バンレイシ科に属する落葉高木。果実を食用とする。北米原産(自生地としてカナダ~北アメリカで分布)。明治期に日本に持ち込まれた。ポポーやポポーノキ、ポポ、アケビガキとも呼ばれる。温帯で生育する数少ないバンレイシ科の樹木。温帯果樹といっても寒さには非常に強い。春に紫色の花をつけ、秋には黄緑色の薄い外果皮を持つ果実をつける。」とあるのですが、それにしても「バンレイシ科」とは日本ではほとんど聞きなれない種名ではないでしょうか。









 
   







 北米原産のポーポーの花 細い高木が林立  たくさんの花をつけている 

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