河口湖前夜発 ’16.6.4 夜行帰り
久しぶりの花の三つ峠山であった。今年は例年になくカモメランの開花が早くなっており、お蔭で例年のような梅雨時のカモメランに出会うことなく、うまくお天気の中での花巡りができた。もちろん、今回のハイライトのカモメランだけでなく、ラン科は他にもヒメムヨウランという初見のものから、ササバギンラン、ノビネチドリにホテイアツモリソウにまで出会うことができたのであった。さらに、久しぶりの再会の花々も多くあり、写真整理がうれしい悲鳴となっている。
まずはラン科からご覧いただこう。
①カモメラン=満開の花になんとか間に合った感じであったが、それでもやや終盤気味の開花状況の個体が多く見られた。
②ヒメムヨウラン=こちらの山域では、この種に出会うのには容易ではなさそう・・。わたしはこの花を誰に尋ねることもなく、嗅覚と直感で探し当てた。超ラッキーと我ながら、花好きが功を奏してついていた感じがし、これほどの喜びはなかった。花巡りが終わってみれば、この花の咲いていたこのひと処の場所以外では出会うことはなかったのである。さぁ、宝くじ買おう!!・・。(爆笑)
③ササバギンラン=ギンランに酷似するが、茎の上部の葉は花序より高く伸びるのが特徴で、あたりへ二株が咲いていた。
④ノビネチドリ=こちらは鹿の食害からだろうか、太い鉄筋で回りをしっかり囲まれて保護されていた。アルプスではよく見かけるのだが、この山域では希少種のよう。葉のふちが著しく波打つのも特徴のひとつ
⑤ホテイアツモリソウ=同じくこちらも鉄筋で厳重に囲まれ保護されていたが、個体数はこちらでは④よりは多くありそうだった。低山帯から亜高山帯の山地の草地などに生え、葉は有毒であるコバイケイソウの葉によく似るのだが、こちらの葉には毒性はないのだろうか。
③ササバギンラン | ④ノビネチドリ | ⑤ホテイアツモリソウ |
私が歩いた翌日の6/5に、三つ峠を歩かれた知り合いの方から、希少種のカイサカネランを見てきましたので、そちらのHPへ載せてと写真を送っていただきました。蕾とはいえ、超希少で珍しい花の画像ありがとうございました。(6/25追記)
カイサカネラン |
*サカネランの変種で、根が上に伸びるのが名の謂れで、この種は腐生植物ながら全体に緑色っぽく、サカネラン に似るが、唇弁がサカネランほど大きくなく、開花時期は母種が5~6月に咲くのに対し、こちらは8~9月と大幅に開花は遅い。
続いて山野草類を見てみよう。なお、↓の画像は当方が比較的目にする機会が少なかった種を取り上げよう。これら以外にも次のような花々がいろいろ咲いていた。
シロバナヘビイチゴ満開、ワチガイソウ満開、タチカメバソウ満開、クサボケ満開、ヒトリシズカ満開、マイヅルソウ咲き初め、ミヤマカラマツ咲き初め、ヤグルマソウ蕾、キバナノコマノツメ終盤、シロバナエンレイソウ終盤、コンロンソウ終盤
ツルキンバイ(バラ科)今回最多満開 | クリンユキフデ(タデ科)終盤 | アヤメ(アヤメ科)山地の乾いた草地 | ルイヨウボタン(メギ科)終盤 | ツルシロガネソウ( キンポウゲ科)満開 |
ヤマトユキザサ(キジカクシ科旧ユリ科) | ホソバノアマナ(ユリ科)終盤 | クサタチバナ(ガガイモ科)咲き初め | クルマバツクバネソウ(シュロソウ科旧ユリ科) | ジキタリス(オオバコ科旧ゴマノハグサ科) |
最後に木本類で、画像は比較的珍しい種を取り上げてみよう。まずはチョウセンゴミシ(シキミ科旧マツブサ科)の終盤の花が咲き残っていた。チョウセンゴミシ(朝鮮五味子)の果実は、甘・苦・酸・辛・鹹の5つの味 があることから五味子と呼ばれ、漢方薬に使われる。
チョウセンゴミシの花は終盤 | つる性のチョウセンゴミシの葉 |
続いてサラサドウダンはどこでも普通に見られるのだが、その白花品はシロフウリンツツジと呼ばれているようだが初見であった。
シロフウリンツツジ |
続いて、サルトリイバラと見間違いやすいヤマガシュウ(シオデ科旧ユリ科)の花は終盤とはなっていたが、その花を久しぶりに目にすることができた。なお、小さなするどい棘は枝上に直角につき、果実は秋に藍黒色に熟す。
ヤマガシュウの緑色の小さな花 | ヤマガシュウの葉先は尖る |
続いてウツギの名のつく種の比較的珍しい種を取り上げよう。
ヤブウツギ(スイカズラ科)少ない | フジサンシキウツギ(スイカズラ科)雑種 | キバナウツギ(スイカズラ科)少ない | マルバウツギ(アジサイ科旧ユキノシタ科) | カナウツギ(バラ科)コゴメウツギと酷似 |
この他に目についた種は次のようなものであった。
サワシバ実、クマシデ実、カジカエデ葉、サラサドウダン満開、ウラジロヨウラク終盤、ドウダンツツジ蕾、トウゴクミツバツツジ終盤、ヤマツツジ咲き初め、コゴメウツギ満開、ヤマブドウ蕾、ミヤマガマズミ終盤、ハナイカダ終盤、クマイチゴ終盤、モミジイチゴ実