センブリとスイラン ’18.10.22 晴のち曇

 二週間前に咲き初めのスイランを見ていたのだが、その時には溜池は満々と水をたたえていたためにそばまで近寄れなかったのだが、今回はしばらく雨しらずが続き池が乾いており、池の中もどこでも歩き回れることとなったことから、沢山のスイランが思いっきり楽しめた。ランと名がつくもラン科ではなく、ご覧のとうり、キク科のオオジシバリの花とそっくりな容姿であろうか・・。

 でも、よくよく考えれば、春咲きでなくこちらはく晩秋の花であり、それに春に咲くラン科のシュンランの葉のような線形の細長い葉をつけることから、また、水辺を好むことからの謂れである。この花は近年希少種で、思いのほか出会える機会が少なくなって希少種となってしまった。多数の都道府県でレッドリストの指定を受けている。もちろん、京都府では絶滅危惧種、滋賀県でも準絶滅危惧種となっている種で大事に見守っていきたい花なのだ。

         
    今回は水のない池で多数咲き残って・・♪     

 しばらく歩けば二か所にわたってセンブリが所狭しと、群れ咲いていたのにも大感激であった。リンドウ科センブリ属にはセンブリ以外にイヌセンブリ、ムラサキセンブリやアケボノソウなどがあるのだが、とりわけムラサキセンブリ、イヌセンブリの種は出会える機会はセンブリほど多くない。これら二種の出会いにもしばらく遠ざかっているのでなんとか遠出したいのだが、さてできるかな、どうなるやら・・?。

 ところで、センブリ属は花冠が5深裂しているのが普通だが、花冠が3裂から6裂もあるようだが、中でも4裂は結構見かける。いやいや7裂だって無いことはない。今回はその7裂の個体(↓画像中)を探し当てたのだ。もちろん6裂(↓左右画像)も見かけた。しばらくはこのセンブリ街道の群落地では花冠の数で楽しみたい。そうそうリンドウ科といえばそのリンドウも標高の高い山域ではすでに満開のようだが、低山のこちらでは来月初旬には出会えることだろうと期待したい。

         
    花冠が7裂は超珍しいセンブリ     

 山野草の開花は晩秋ともなれば目ぼしいのは致し方ない。野原に群生するセイタカアワダチソウは嫌われ者だが、その仲間でもあるアキノキリンソウは、里山などにも楚々として咲き酷暑をしのいだ身で涼しさの中に出会える花のアキノキリンソウは日本人の心をとらえるキク科のひとつだ。

 次のセンボンヤリは白色の花を春に咲かせる(裏側は紫色)のだが、この花は秋には槍に見立てた閉鎖花をつけることで知られている。しかし、わたしは北陸から信州方面では度々春の可愛い開花を目にしているのだが、近畿圏で出会えたのは初めてだった。この花の早春がにわかに待ち遠しくなってきているのだ。過去に出会ったその花の写真すら、もう手元にないほど遠くなってしまっているのだから・・。

 酸性地の湿った山域へ咲くサワシロギクは花弁が白色から紅紫色へ変化する特徴が知られる。白色に咲いたサワシロギクの清楚な開花で群れ咲く光景はいつなんど出会っても素晴らしい。そしてしばらく経つと今度は紅紫色へと変化するのだが、こちらの姿は忍び寄る寒さの中で出会えば、しみじみとした感傷的な気持ちとなる様相であろう。

 まだまだ暑い9月ころから咲きだしたツリガネニンジンは花を沢山つける株のために、同じところでいつまでも咲き続けるのだろう。来る度に「まだ咲き続けてる」と思ってしまい、「そんなに頑張らなくてもいいよ」と思わず声をかけてしまうほどだ。そうそう、シラヤマギクも同一個体が長い期間咲き続けていたが、こちらは来る度に見てたことから、今回写すことすら忘れてしまっていた。笑

         
アキノキリンソウ   センボンヤリの閉鎖花  左が成熟して冠毛が広がる  サワシロギクは白から開花後紅紫色 長く咲き続けるツリガネニンジン 

 木本類の果実もいよいよ完熟期のようだ。

       
湿地帯好みの代表であるウメモドキがあたりを赤々とさせるほど真っ赤だ・・  やや少ないカマツカ  葉がいつまでも落ちないアオハダ 
       
 サルトリイバラの近縁種のサルマメ 待ちに待った美味のシャシャンボ  クロミノニシゴリは久しぶりに裏年で花咲かず、秋は果実もなくて寂しい、涙 

10/8スイラン、センボンヤリ ホームヘ 10.31キッコウハグマ、リンドウ







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