比叡山に咲く花 ’19.9.9 晴

 9月に入ったわりにはいっこうに涼しくならず、猛暑日続く異常気象の連続です。強風の台風15号も千葉県に上陸し首都圏も大被害のようです。いち早い地球上の温暖化現象対策を、世界規模での取り組みが待たれるところでもあります。

 さて、こちらはその猛暑の中を花巡りに行ってきました。長い間、こちらの山塊でフシグロセンノウに出会えなかったのです。今回、花時はやや遅かったのですが、ようやくにしてこちらでフシグロセンノウに出会うことができました。それも10輪ほどにも出会えたのです。この花色は他にはあまりない色あいの濃い朱色の5弁花を、しっかり広げて上向きに咲かすために大きく見えて目立ちます。もちろん藪状態の草叢繁る中においてもいち早く目に入る花でもあります。
 もっとも他に5輪ほどはもう花びらがしぼんでしまい終わりでした。しかし、どうやら、この花の開花が今年は例年より大幅遅れのようでした。二週間前でもまったく見られなかったのですが、ほんとうに今年は咲かないのだろうかと思いつつ、執念で出会いにこぎつけた感じでした。笑い

 
フシグロセンノウ(ナデシコ科センノウ属) 右は花跡 

 レモンエゴマの開花も始まっています。小さな淡紅色の唇形花を密につけます。エゴマに似てレモンのような強い香りが一面に広がっています。山中の林道にはやはり花期がまったく同じ8月~10月のミカン科マツカゼソウが群落で林縁に見られましたが、レンズは素通うりでした。その群生とかわりばんこに群れ咲くレモンエゴマもこれから長く咲いてくれることでしょう。

 
 レモンエゴマ(シソ科エゴマ属)

 こちらはゲンノショウコです。昔はお盆のころになればいち早く咲いたものですが、なぜか近年は遅めの開花のように思えます。白紫色と紅紫色の花が単発的にあちらこちらで咲いていました。ほとんどの図鑑には紅紫花は西日本に、白紫花は東日本に多く見られると説明されていますが、関西圏ではどちらでも両方が普通に咲いて見られるように思えます。

     
ゲンノショウコ(フウロソウ科フウロソウ属) 白紫と紅紫の色の二種の花が咲く

 秋の七草でもあるクズの花が咲きだしていました。日本では、根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られることはよく知られています。もちろん、秋の七草は『オミナエシ・ススキ・キキョウ・ナデシコ(カワラナデシコ)・フジバカマ・クズ・ハギ』ですよね。

 
 クズ(マメ科クズ属) つる性でほとんど毎年咲くよう

 山肌にはこの時季にはツツジの仲間のホツツジが、低山ではほとんどアンカーのごとく咲いています。花はきれいですが、この種は有毒であることは思いのほか知られていないようです。花や実などいちびって口に入れないようにしましょう・・。この種は毒性が花粉にも含まれ、蜂蜜に混入して食中毒を起こすことがあるとも言われています。

 
 ホツツジ(ツツジ科ホツツジ属)

 ぶどうのような実のウシブドウがそろそろ色づいてきだしました。ぶどうに似ていますが全く違う植物です。ウシブドウの名の謂れは、熟した果実が黒くなり見た目がブドウに似ていることからつけられたようです。本来の名はマツブサで、京都では自生地も個体数もともに少ないと言われ、RDBは準絶滅危惧種に区分されています。樹木の中で特に稀少なものであることを是非知っていただき、「もし万が一、ぶどうが・・、違う、ウシブドウ」が目に入った場合は実を取ることはもちろん許されませんので、「手は伸ばさないでくださいネ!」、ここで「笑わない、真剣ですゾ!」

 
マツブサ(マツブサ科マツブサ属) 超希少種です! 

 他に目についた種たちです。特にオタカラコウはこれからのようですが、こちらでは柵などいっさい皆無ですが、鹿の食害は今後もどうでしょうか・・?、たくさん咲いてくれるのを期待しましょう・・。

         
 イケマの果実の熟すのは長くかかる    オタカラコウとメタカラコウ同一場所に咲かず    イヌガヤの果実は多く見れないか・・
         
この花はイヤ、でも面白いヒノキの実    白木みのる・・ではなく、シラキの果実なり 笑    オオバアサガラの実は来月には熟す

8/24ノリウツギ ホームヘ 9/30ツルニンジン




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