東山に咲く花 ’19.11.5 晴

 本来の爽快な秋晴れの下で2017年に続き、二度目の満開のアワコガネギク(別名キクタニギク)を見に出かけることができました。手元の図鑑によれば、岩手県から近畿地方に分布していたとあるも、近年京都東山の菊渓(キクタニ)川沿いでは絶滅危惧種となっていたのですが、「京都伝統文化の森推進協議会」を中心に自生地復活に向けた活動が本格化しています。
 市民やボランティアの支援も受けながら、一昨年から今年にかけてシイなど高木の伐採、苗の植栽、散策道の整備、そして、昨年の21号台風被害等の大改修などに取り組んできていただいたお陰で、古くから咲いていたといわれ可愛らしいキクタニギクの復活となりそうです。このような希少種のキクタニギクが身近に見られるわたしたちは何と幸せなことでしょうか・・。ウレシイ~

 
アワコガネギク別名キクタニギク (キク科キク属) 

 ↑画像三枚はクリックで拡大画像へ

 続いて、前回も大群落で咲いていたキチジョウソウ(吉祥草)ですが、まだまだ超満開で思わず満面の笑みでした。ニコニコ

 
キチジョウソウ(キジカクシ科キチジョウソウ属) 

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 こちらの山域ではハイノキ科のうち、クロバイにシロバイが見られます。クロバイの花は4~5月ころに咲きます。そして果実は秋から冬にかけて紫黒色に熟しますが、今回はまだ緑色でした。果実は核果で、卵状長楕円形の6~8mmで先端に萼片が残ります。

 
 クロバイ(ハイノキ科ハイノキ属)

 次はその仲間のシロバイの色ずく直前の果実です。こちらシロバイの花は春ではなく夏の終わりに、クロバイと同じように白い花で雄しべがよく目立つ穂状花序で咲かせます。ところが、写真の果実は昨年の8月末に開花後にできた実です。木の実が熟すのは翌年の秋、すなわち今年の秋に紫黒色に熟すことがやや面白いことなんです。
 実は5~7mmの球形です。もちろん先端に萼片がこちも残ります。熟すのはこちらが↑のクロバイより時期的に少し早めで、まもなく、今年の11月末から12月初めにかけて紫黒色に色変わりしてくるハズでしょう。お分かりでしょうか?、文章の中実がちょいとややこしいですヨ! 笑

 
シロバイ(ハイノキ科ハイノキ属)エ~、警察の白バイじゃ、ないですヨ・・笑

 木本類の果実で目についた他は次のようなものでした。

 最初にトベラですが、完熟には実が3つに割れ、粘着質の赤い種を出して中から鮮やかな真っ赤な種をむき出しにしますので、山歩きに出会えばすぐに分かります。鳥が食べてもそう美味しくはなさそうで、食べてもらうより、その粘着性を活かして鳥の体にくっつき、種子を遠方に運んでもらう戦術のようです。
 さて、節分に玄関先にヒイラギとイワシの頭を飾る風習があるのは一般的で、この日本の文化は現在でも京都では引き継がれています。ところが、古くからトベラの枝葉は、やや臭い独特な臭いをしており、節分に鬼除けとして、扉に挟む習慣があった事からの名の謂れとなったようです。また、枝葉を折るとチーズのような何とも言えないクサイ臭いもするようです。その他にもトベラにまつわる話はあるのですが、これくらいにしておきましょう・・。次回は枝葉を手に取って一度試してみましょう・・。笑

 最後にサネカズラですが、こちらもやっぱり果実は緑色のままの状態でした。サネカズラはつる性木本で雌雄異株です。開花は8月の暑い時期ですからハイカーは低山歩きには辛く歩く人は少ないでしょう。それに、この花は直径1cmほどで小さくて、目立ちませんから、この花に出会う方はそう多くななさそうです。
 ところが、晩秋にもなりますと果実は全体で5cmほどと大きく真っ赤に熟しますので、ハイカーにもよく目立ちます。本当のところ果実は1cmの単果は個々に落ちて、あとにはやはり真っ赤なふくらんだ花床が残り、冬までよく目立ちます。晩秋には是非探し出して見つけてくださいね。 別名のビナンカズラ(美男蔓)は、昔つるから粘液をとって整髪料に使わていたとのことからの名の謂れです。

     
 トベラ(トベラ科トベラ属)   サネカズラ(マツブサ科サネカズラ属) 

10/28キチジョウソウ ホームヘ 12/5アイノコフユイチゴ






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