晩秋の残り花を楽しむ ’17.11.1

 今年の10月は台風21~22号と二つも上陸し、各地に大きな被害をもたらせた。もちろん雨台風の豪雨が続いたのも近年にない有り様であったのだ。そんなことからすっかり山行も意気消沈となってしまい、惨憺たる思いの日々で過ごさざるを得なかった。

 ようやく月末になって台風一過の快晴となってくれた。でも、自然界の秋花は時すでに遅しの状況であろうが、やっぱりその様子を確認しておきたいと腰を上げた。ところが、こちらの山域では初めて出会うことのできた『キッコウハグマ』(亀甲白熊)という種の残花が待ってくれたではないか。こちらの花は閉鎖花を結ぶことが多い種であるのだが、この開放花に出会えたのも久しぶりであり、飛び上がらんばかりの喜びとなったのだ。

         
花は3個の小花で先は5深裂    キッコウハグマ(キク科モミジハグマ属)    葉は茎の下部に集まり、やや五角形となり易い 

 その他の秋花の残花も数は少なかったのだが、とりわけセンブリが、まだまだ多数の花を広げて、あたりに色づく秋彩の自然の中で、女王のような姿を見せてくれていた。スイラン、サワシロギクも最後だぞ!、といって残花姿で頑張っていた。

         
アキノキリンソウ(キク科)    スイラン(キク科)     サワシロギク(キク科)
         
    センブリ (リンドウ科)    
         
リンドウ(リンドウ科)     ツリガネニンジン(キキョウ科)


 最後は木本類の果実たちである。晩秋ともなれば野鳥や小動物たちに食べられてしまうか、風雨などで落下してしまうのだが、それらの敵襲にも打ち勝った面々たちが、寒くなりだした今でもどうにか果実を完熟させて生き延びているのだろう。完熟色やその時期は種によって様ざまなのがこれまた面白い自然観察となるので飽きることはない。

完熟色

赤色系 
         
  ミヤマガマズミ(レンプクソウ科)    アオハダ (モチノキ科)    ヘビノボラズ(メギ科)
完熟色

黒色系 
         
  サカキ(サカキ科)    クロミノニシゴリ (ハイノキ科)    ヒサカキ(サカキ科)
完熟色

紫黒色
青黒系 
         
   シャシャンボ(ツツジ科)    アオツヅラフジ(ツツラフジ科)   イヌツゲ(モチノキ科) 

 他に黒色のナツハゼに、赤色のソヨゴはありふれているために素どうりであった。だが、針葉樹のネズ(ヒノキ科)(別名ネズミサシ)の実は今は灰白色であるのだが、完熟色はこれが翌年の10月頃に黒紫色になるのだ。しかし、表面が白っぽいロウ質に覆われているのが面白い種だが、何を考えていたのか撮るのを忘れてしまった。そうだ、考えていた内容は、「こんな姿の写真を撮っても、どなたも興味を示してくれなかっただろうと、過去から思っている種であることを思い出しながら、ただ見てるだけだったのだ。」。。笑

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